50mm鉋(かんな)の調整&砥ぎ・・・その2

砥ぎ

かんなの調整・砥ぎ(その1)からの続きとなります。

1.裏金の調整・砥ぎ

①裏出し : 裏金の場合も、刃先の裏側が平らでなければなりません。
      #320→#1000→#6000 の順で砥ぎました。

#320で荒砥ぎ
#1000でしっかり砥ぎます
#6000で仕上げ

②鎬(しのぎ)面の砥ぎ : 荒砥ぎ、中砥ぎでしっかりと平らにします。

荒砥ぎ
中砥ぎ
刃先は砥ぎを残してもOKです

③二段砥ぎ : 裏金の刃先は、二段砥ぎとなります

■二段砥ぎは、60°~70°の角度で砥ぎます。
けっこう刃先を立てて、ぶれないようにしっかり持ち、二段に砥ぎます。

#1000で中砥ぎから
#8000で仕上げ
二段部分を少し砥ぎ過ぎたかも・・・

2.かんな刃(穂と裏金)の合わせ

裏面を合わせる
裏金の下側のかど部分の高さを確認する
指で押してカタカタとぶれないかどうか?

かんな身と裏金を合わせます。
どちらも裏面を平らに砥いでいますが、裏金の下側のかどの部分(赤丸)の高さが微妙に違います。
指で押してみて、カタカタとすき間があるようであれば、刃先がピッタリと合わずに、合わせた刃先にすき間が生じています。
カタカタする側を上面から叩いて、ブレがないように調整します。

■合わせた刃先を、逆の方から見ます。
刃先を見て、すき間の状況を確認します。

「金床」で裏金の下側のかど部分を叩いて、ガタつきのないように調整します。

金床を準備
玄能でかどを叩きます。
刃先を合わせる

刃先がピッタリとついています!
これで、かんな身(穂)と裏金の調整・砥ぎは終了。

3.台の調整

①下端の調整基準

台の下端は、平らな状態では材料をうまく削ることは出来ません。
下図のように、台の下端を削って調整します。

■ 下端は、木材を削る時の抵抗を少なくするために、刃口の下と台尻・台頭の下端に、平面の基準となる面(10mm程度)を残して、他の部分はほんの少しだけ削り取ります。
■ 今回は、刃口の下と台尻の下端に基準面を残す「2点支持」で調整しました。
上図のA、Bの2か所が木材に接する部分です。
■ 基準面以外は、0.1~0.2mmをめどに削り取りました。

②下端のチェック!! 下端のねじれ、反りなどを確認します。

下端全体に定規をあてる
斜めにも確認
対角線上に確認

③ 台直しサンドペーパーでかんなの下端全体を平らに直します。

#60ぐらいの荒いサンドペーパーです
粉状態の削りカスが出ます
定規で平らな状態を確認

④ 木材と接する基準面A、Bの幅を鉛筆でけがきします。

台尻側
刃口側
10mm程度の幅で

台直し鉋 : 台直し鉋は特殊で、かんな刃が1枚で、台に対して垂直に入っています。

台直し鉋
かんな刃が垂直に納まります
若干、刃口が斜めになっています。水平な刃口のものが一般的です。

⑥ 台直しかんな掛け : 削る鉋の下端に、垂直に掛けます。
※台頭側に掛けるときは、かんな刃を入れて掛けます。かんな刃を入れると下端が押されて、若干盛り上がる状態になります。その盛り上がった状態で台直し鉋掛けを行います。
※全体を掛け終わったら、#400ぐらいのサンドペーパーで仕上げます。

下端に垂直に
かんな刃を養生テープで保護
サンドペーパーで仕上げ

⑦ 下端調整後のチェック!!

■下端に定規をあて、チェックします。
材料と接する基準面に定規があたり、それ以外の部分には、「すき間」が見えます。

すき間が、均等になっていませんね・・・苦笑。

台頭部分、少し削り過ぎました・・・。
対角線上にもチェックしながら。

「こっぱ返し」部分の調整

こっぱ返しの幅が狭く、かんなくずがスムーズに上部に出なくて、詰った感じがしたので、1mm幅に広げました。ノミで慎重に削りました。

0.5mmなので、1mmに広げました
小刀で切れ目をいれます!
のみで慎重に削ります!
1mm幅のこっぱ返しになりました

「押さえ溝」の調整

かんな身(穂)を入れた時、左右がきつく、刃の出の左右調整が出来なかったので、押さえ溝をのみで彫り込んで調整しました。

押さえ溝は、かんな身(穂)の両サイドに1mmぐらいのすき間があれば、左右の刃の出を調整できます。

一分のみで削ります。(上端側から)
下端側からも削る

4.刃の調整、試し削り(かんな掛け)

かんな刃(穂、裏座)の砥ぎ、台の調整を終えたので、試し削りをします。
50mmの鉋なので、幅広の木材ではなく、細い材料に掛けてみました。

①刃の調整

裏金がかんな身(穂)から出ないように!
刃の出が均等であればOK!
実際の刃の出の映像です。わずかです!

② 試し削り

1回目で刃の出の調子を確認します
薄いかんなくずは出ませんが・・・。
何とか、使えそうです!!!

☆ 鉋の調整・砥ぎについて、フルコースの各調整作業を行いました。
  まだまだ未熟なので、技能を高めていかなければ!!
  特に、かんな身(穂)の刃先の砥ぎは、なかなか納得がいきません・・・。
  プロの職人の方々のように、鋭利でスパッと切れる刃先をつくれるようになるにはまだまだ。

    次は、70~80mmの鉋の砥ぎに挑戦したいと考えています

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